ですが、ほんとに「損失を限定」できるのでしょうか?
投資額が減ってることになるのでそうなる気はしますが、どのようにイメージすればいいのか検証してみます。
先日使ったグラフを使い回して、またここからスタートです。
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今回は、個別元本に注目してみます!
CさんとDさんは個別元本に40円の差がありましたが、特別分配によって元本が削られ同じ個別元本になってます。
追加購入でもしない限り、ずっと同じ個別元本で動いていきます。
このあと基準価額が低調に推移し、CさんもDさんもあと2回、100円の分配を特別分配として受け取ったとします。
そうすると、下の右のグラフのように、Aさんの個別元本に追いつきます。
(ただし、基準価額が9,900円未満になるとAさんの個別元本も削られてまだ追いつけないので、ここではわかりやすく、1回目10,000円、2回目9,900円とします。)

ここで5人とも投資金額が100万円だったとしたら、
A:基準価額が9,800円のときに、100万円投資している(そのまま)。
B:基準価額が10,100円のときに、(100万円-特別分配金)投資したのと同じ。
C:基準価額が9,800円のときに、(100万円-特別分配金)投資したのと同じ。
D:基準価額が9,800円のときに、(100万円-特別分配金)投資したのと同じ。
E:基準価額が9,600円のときに、100万円投資している(そのまま)。
「…したのと同じ。」というのは、特別分配で元金を返されているので、あたかもその基準価額で買ったのと同じようなことになるということです。
では、A、C、Dさんは何が違うのか表にしてみました。

まず、口数が違います。口数は変動しません。
Aさんは100万円投資して、1020408口所有してます。
Cさんは97万297円投資したことになり、990099口所有しています。
ここでわかるのは、Cさんは少ない金額しか投資してないことになっているので、やはり損失も限定されているということです。
調子の悪いところから自動的にキャッシュを退避できていると思えば、それほど悪いことでもないのでは?
ただし、少ない金額で少ない口数を購入したことになっているのだから、その後基準価額が上昇したとしても、その利益や分配金の上昇はAさんやDさんよりも限定的です。
もちろん、特別分配によって購入時の手数料やその時間は無駄になりますが…