
(A)
基準価額10,000円の投資信託を100万円分(100万口)購入したところ、基準価額が9,000円に下がって10万円の含み損を抱えたとします。
↓
(B)
ここで含み損を抱えたままで1万口を売却して9,000円受け取ったら、1,000円の損を確定させることになります。
そして売却後の含み損は99,000円になります。
では、特別分配が出たとしたらどうでしょう。
ほんとうに損を確定(損切り)していることになるのでしょうか?
(A)
先程とスタートは同じです。
↓
(C)
ここで90円の分配が出て、9,000円受け取ったとします。
もちろん、基準価額が個別元本を下回っているのでこの分配は特別分配です。
↓
(D)
90円の分配が出ると基準価額は8,910円に下がりますが、この90円は特別分配で元本を取り崩しているので、もちろん個別元本も9,910円に下がります。
このときの含み損は10万円のままで、まだ確定損はありません!
つまり、特別分配では損切りにはなりません。
特別分配は損でも得でもないということです。
(購入時に手数料がかかっていたらその分はムダになりますし、特別分配をもらうということ自体が含み損を抱えている、ということですが…)
また、(D)の図を見てわかるのは、最初から基準価額が9,910円のときに投資したのと同じことである、ということです。
言い換えると、9,000円返ってきているから、991,000円しか投資してないのと同じということになります。
毎月分配型のしくみにはおもしろい面もあるとは思いますが、コストも高く、結局は数ある商品の中からどれを選ぶかが大切で、実はそれが難しいんですけどね…